増刊号 病理組織・細胞診実践マニュアル
第II章 組織学的検査
2.検体
2)検体の受付と処理
d)包埋
滝野 寿
1
,
長屋 清三
1
1名古屋市立大学医学部病理学第2講座
pp.98-103
発行日 1998年6月15日
Published Date 1998/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903464
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はじめに
病理組織標本を染色する目的で,新鮮組織や固定後の組織をそのまま薄切しても,染色に適切な切片を得ることはできない.それは組織中に中腔の部位があったり,組織自体が均一な硬さを持たないためである.そこで,組織片に一定の硬さを持たせるために,包埋剤を用いる必要がある.しかし,組織片をいきなり各種包埋剤に浸透しても馴染まないので,前処理としていくつかのステップが必要になる.つまり,“脱水・脱脂”,“脱水剤の除去および仲介剤への置換”,“包埋剤の浸透”といったステップである.現在では包埋剤としてパラフィンを常用している施設が多く,その過程も機器を用いて自動化されている.
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