入門講座 病理
包埋
畠山 茂
1
1東京医歯大病理
pp.443
発行日 1967年6月15日
Published Date 1967/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542916162
- 有料閲覧
- 文献概要
包埋とは組織を薄切するにあたって必要な準備操作で一様な薄い切片をつくるために組織より固いもので均等に組織を充填する過程をいう。その目的にかなう包埋物質としては第一に浸透性を与えうること,第二に均一な固さがえられることが必要で,実用的な面でさらに保存や染色などの後処理が簡便なためパラフィンが常用されている。電子顕微鏡用超薄切片をつくるためには,さらに収縮性の少ないことや電子線に抵抗力の強いなどの条件をみたす必要上エポキシ樹脂が広く用いられる。
包埋物質には常温または加温により流動性または液状で組織浸透力を示すものがあり,パラフィンは後者に相当し,樹脂系統は前者に属する。
Copyright © 1967, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.