オピニオン
大学病院検査技師の使命
柴田 宏
1
1島根医科大学附属病院検査部
pp.420
発行日 1998年5月1日
Published Date 1998/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903400
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技師の使命
大学病院の使命は“教育”,“診療”,“研究”であるといわれる.一方,多くの大学病院が承認を受けている特定機能病院とは「医療施設機能の一環として,高度医療の提供,高度の医療技術の開発および評価ならびに高度の医療に関する研修を実施する能力を備え,かかる病院としてふさわしい人員配置,構造設備を有するもの」と定義されている.これらの資質は決して大学病院医師だけに課せられたものではなく,大学病院全体の施設,能力,人員に課せられたものである.すなわち,医師に限らず,看護婦,放射線技師,薬剤師,事務員……,もちろん臨床検査技師にも同等に課せられている.したがって,大学病院の臨床検査技師は一般病院の技師よりも高い技術を持ち,研究・開発を行い,その知識や技術を広めるように努めなければならないと考える(決して尊人にならず,真摯な態度で).
私は以前,私立の大学病院にいたが,医師と一緒に仕事をしたり,コミュニケーションを密にしていたので,珍しい症例や新しい技術に早くから接することができた.知り得た知識や検査技術は技師会研修会などを通じて紹介してきた.当時は何も考えずに依頼があれば話すだけの受け身であったが,あるとき「一般病院の技師は毎日ルーチンに追われて,勉強する暇もないし,珍しい症例はみんな大学病院へ移ってしまうので何もできないんです.
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