病院管理講座 理論編・2
病院の機能と使命
吉田 幸雄
1
1厚生省病院管理研究所
pp.75-79
発行日 1963年2月1日
Published Date 1963/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1541202062
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病院の経営や管理を論ずる前に,一応病院とは何んであるかを整理しておく必要があるだろう。しかしながら,これを一言にして定義づけることは困難なことであって,前号の病院の歴史で述べたように,社会の変遷や国情によってそのあり方は異なるものである。しかし病院というものを存在せしめる社会的要因は,社会の進化に伴って一定のものが存在し,その要因の組合せの変化によって,その様相に相違を来たすが,その進化の方向は一つの方向に向って行くように思われる。ただし,日本の現在の病院は,その中でも特に異なった発生と発展過程を経て来ているので,先進国の病院とは,現在では相等違ったものとして考えねばならぬだろう。
現在の時点における国際的に最も新しい考え方を示すならば,1957年の第10回WHO総会の際に持たれた,「公衆衛生計画における病院の役割」という専門集会の結論であるだろう。
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