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新しい胎盤ホルモンとしての肥満遺伝子産物レプチン
由良 茂夫
1
,
佐川 典正
1
,
三瀬 裕子
1
,
益崎 裕章
2
,
小川 佳宏
2
,
中尾 一和
2
1京都大学医学部産婦人科
2京都大学医学部第2内科・臨床病態医科学講座
pp.1181-1183
発行日 1997年12月1日
Published Date 1997/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903305
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はじめに
レプチンは1994年に発見された新しい蛋白で,脂肪細胞において生合成・分泌され,個体の体重を調節する肥満抑制ホルモンとして重要な作用を有している.脂肪組織の重量が過度に増加した状態である肥満は糖尿病や高血圧症,動脈硬化症などの生活習慣病(成人病)の主要な危険因子の1つとして注目されている.レプチンは発見以来,脂肪細胞のみで生合成・分泌されると考えられてきたが,最近,筆者らは妊娠中の女性では胎盤や羊膜からレプチンが分泌されていることを発見した.そこで,本稿ではまず非妊時の生体内におけるレプチンの役割について解説し,次いで妊娠中の胎盤ホルモンとしてのレプチンの生理的意義について紹介する.
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