病気のはなし
肺癌
北村 諭
1
1自治医科大学呼吸器内科学教室
pp.896-903
発行日 1997年10月1日
Published Date 1997/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903243
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新しい知見
診断面では,近年,それぞれの肺癌組織型に特異性の高い腫瘍マーカーが開発され,日常臨床に使用されている.CYFRA(扁平上皮癌)とPro GRP(小細胞癌)である.また末梢肺野にある小結節陰影の確定診断に胸腔鏡下肺生検が行われている.もし悪性ならば,そのまま開胸手術に移行し,縦隔リンパ節郭清をする.
治療面では化学療法の薬剤として,CPT-11,taxolが使用されている.今後,肺癌に対する新しい治療として期待されているものに,気管支内腔放射線照射,重粒子線照射などがある.K-ras遺伝子に対するantisense oligoをレトロウイルスに組み込み,癌細胞に導入する方法やp53(癌抑制遺伝子)をアデノウイルスにより癌細胞に導入する方法なども検討されている.
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