技術講座 一般
精液一般検査
山崎 雅友
1
,
當仲 正丈
1
,
熊谷 明希子
1
,
内村 重行
2
,
森本 義晴
1
1河内総合病院不妊センター
2河内総合病院臨床検査部
pp.745-752
発行日 1997年8月1日
Published Date 1997/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543903206
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新しい知見
最近,コペンハーゲン大学(デンマーク)のスカケベク教授のグループが,1950年代と1970年代生まれの男性の1ml当たりの精子含有量の徹底調査を行ったところ,1950年代生まれの中年男性の精子は1ml当たり1億個だったのに対し,1970年代生まれの若者の精子は2,500万個も少ない7,500万個で,また精子の形自体にも異常が数多くみられたと報告している.これは,過去20年の間に精子の数が25%も減少したということになり,この傾向は日本でも顕著で,男性不妊症の増加の原因になっている.このように,いままでは女性に原因があるとされてきた“不妊”の原因が,男性側にも多くみられることがわかってきた.実際,当センターに体外受精を希望してくるカップルのうち,8割に男性不妊がみられる.
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