技術講座 微生物
Clostridium difficile toxin Aの臨床的意義と検査法
加藤 直樹
1
,
加藤 はる
1
1岐阜大学医学部附属嫌気性菌実験施設
pp.135-141
発行日 1997年2月1日
Published Date 1997/2/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902986
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新しい知見
Clostridium difficileには,toxin A(エンテロトキシン)とtoxin B(サイトトキシン)の両者を産生する株があり,抗菌薬関連下痢症/腸炎あるいはさらに病状の進行した偽膜性腸炎の原因菌となる.これらの疾患は,抗菌薬を投与することにより腸内プローラを構成する多くの菌が減少あるいは死滅し,C. difficileが腸管内で異常増殖して毒素を産生することにより,発生するものと考えられる.診断には酵素抗体法により糞便内のtoxin Aを検出するか,糞便培養後,分離株の毒素産生性を検討する.この目的でpolymerase chain reactionを用いて毒素遺伝子を検出するのも便利である.
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