技術講座 病理
細胞診における血液疾患
中村 忍
1
1金沢大学医学部第3内科
pp.29-36
発行日 1997年1月1日
Published Date 1997/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902962
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新しい知見
造血器腫瘍の治療の進歩は著しく,化学療法の発達や造血幹細胞移植の開発により治療法が多様化するとともに,かなりの例で治癒が期待できるまでに至っている.治療法の選択,予後の推定には正確な診断,病変の拡がりの把握とともに,細胞の成熟段階のどの時点での腫瘍化なのか,といった腫瘍細胞の性格の解析が不可欠となっている.このために,単に細胞形態の観察にとどまらず,細胞表面抗原の解析,染色体ならびに遺伝子レベルでの検索を行い,これらの結果を総合して治療がなされる.診断に当たり解析すべき項目をチェックして,必要な検体を採取しておくことが大切である.
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