今月の主題 動脈硬化とリポ蛋白
TG-richリポ蛋白
リポ蛋白リパーゼと肝性トリグリセリドリパーゼ
池田 康行
1
,
高木 敦子
1
Yasuyuki IKEDA
1
,
Atsuko TAKAGI
1
1国立循環器病センター研究所病因部
キーワード:
リポ蛋白リパーゼ
,
肝性トリグリセリドリパーゼ
,
高トリグリセリド血症
Keyword:
リポ蛋白リパーゼ
,
肝性トリグリセリドリパーゼ
,
高トリグリセリド血症
pp.1013-1021
発行日 1996年9月15日
Published Date 1996/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542903014
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リポ蛋白リパーゼ(LPL)は脂肪組織で合成される分子量61kDaの糖蛋白で,カイロミクロンや超低比重リポ蛋白(VLDL)のトリグリセリド(TG)を脂肪酸とモノグリセリドに水解する酵素である.LPL遺伝子異常ホモ接合体によるLPL酵素異常ではⅠ型高脂血症(高カイロミクロン血症)となり,LPL遺伝子異常ヘテロ接合体の遺伝素因にアルコール多飲などのTG合成亢進因子が合併した場合はIV型やV型高脂血症(高TG血症)となる.肝性トリグリセリドリパーゼ(HTGL)酵素は肝臓で合成される65 kDaの糖蛋白である.その生理的役割はLPLほど明確ではないが,HTGL欠損症の場合,高TG血症を示すが,VLDLなどの大型粒子の蓄積はなくLDLやHDL粒子のTGが増加することから,これらリポ蛋白代謝に関与していると推定されている.両酵素の定量は,高TG血症の成因を解明するうえで臨床的に重要である.〔臨床検査 40:1013-1021,1996〕
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