トピックス
64チャネル脳波計測用センサ
福住 伸一
1
,
小杉 道夫
2
1NEC情報メディア研究所
2NEC情報メディア研究所医療機器事業部
pp.767-769
発行日 1996年8月1日
Published Date 1996/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902858
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■多チャネル脳波計測の重要性と問題点
近年,コンピュータや信号処理技術の急速な進歩により,パソコンなどによる多チャネル脳波の計測・解析・表示が可能となってきた1).数十個から100個を超える電極を通じて大量の脳波データを一度に収集し2),頭皮上の等電位分布3)や脳内等価電流双極子推定1)などの解析技術を適用することにより,人間の認知過程や心身状態などの高次脳機能を高速に,しかもわかりやすく示すことができる.
多チャネル脳波計測・解析・表示技術は,脳科学を発展させる強力なツールとなり得るばかりでなく,臨床検査にも有効であると考えられる.この統合技術の中で,多チャネル脳波計測を実現するためには,多数の電極を,確実に,短時間で,しかも安定した低い抵抗値(5kΩ以下4))で装着することが必要不可欠である.しかしながら,従来の脳波用皿電極を用いた電極装着手法で多数の電極を装着すると,装着中の時間経過によるペーストの乾燥,電極線同士の絡み合い,ペースト同士の接触,などの不具合いが生じやすい.これらのことは,データにノイズが入り込むばかりでなく,検査準備に長時間を要し,被検者に苦痛を強いることになる.
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