増刊号 感染症検査実践マニュアル
Ⅴ.各種検査法の特徴とその適応と限界
3.免疫学的検査
望月 照次
1
,
中村 良子
2
1昭和大学医学部附属藤が丘病院中央臨床検査部
2昭和大学医学部附属藤が丘病院臨床病理科
pp.74-76
発行日 1996年6月15日
Published Date 1996/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902745
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
感染症の診断に最も重要なことは“病原体の検出”である.しかし,病原体の検出は“培養”を必要とし,検査結果を得るのに長時間を要する.そこで,臨床側は患者の症状に基づいて感染症の有無を判断,推察し,直ちに抗生物質の投与などの治療を開始することが多い.このような現状から,より正確な診断と治療を実施するために病原体の感染の有無,感染状態の把握を直接あるいは間接的に,しかも迅速に証明することが要望されている.
病原体の迅速な証明方法の1つに抗原抗体反応を利用した免疫学的手法がある.感染症の免疫学的検査法は表に示すように,病原体の菌体または菌体からの産生物質を特異抗体の使用により検出する方法,すなわち“抗原検出”と,病原体により産生された抗体を特異抗原の使用により検出する“抗体検出”に大別される1).
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.