トピックス
光測定による骨粗鬆症診断の可能性
竹内 晃
1
,
板橋 明
1
,
荒木 隆一郎
2
1埼玉医科大学中央検査部
2埼玉医科大学衛生学
pp.471-473
発行日 1996年5月1日
Published Date 1996/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902695
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
はじめに
近年,人口の高齢化,QOLの重視などの点から骨粗霧症に対する意識が高まっている.
この傾向は新しい治療薬の開発などにより,さらに顕著になると予想され,今後,骨組織の非侵襲的な測定法の役割は大きくなると思われる.現在,従来の単純X線写真での形態評価に加えて,DXA(dualenergy X-ray absorptiometry)法による骨塩〔骨カルシウム(Ca)密度〕定量法は,骨強度の重要な評価法となっている.また,超音波による踵骨測定法は,その簡便さから1次スクリーニングに最適である.しかし,DXA法はX線のCaに対する吸収特性を利用しているため,得られる情報は2次元的な透過吸収像であり,立体構造の評価には不向きである.超音波法は,骨組織中の伝導速度がCa含量,減衰は構造に左右されるとされ,今後を期待されているが,現時点では簡易なDXA法といった印象が強い.骨組織は複雑な構造体であり,Ca密度以外に,外力に対する支持構造も重要な強度規定因子となる.また,近年はコラーゲン,骨髄内の状態など骨密度以外の因子(骨質)の重要性が問われており,新たな測定法の開発が期待されている.
Copyright © 1996, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.