検査法の基礎理論 なぜこうなるの?
分光測定における迷光
石田 浩二
1
,
桑 克彦
2
1慶応義塾大学病院中央臨床検査部
2虎の門病院臨床化学
pp.701-707
発行日 1981年9月1日
Published Date 1981/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202338
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臨床検査の領域においては生体成分の定量方法として比色分析法が多く採用され,分光光度計の役割は非常に大きい.しかし,使用されている装置の性能についてはあまり理解されていないのが現状である.分光光度計で重要なのは,設定波長の正確度及び精密度,吸光度の正確度及び精密度,吸光度の直線性(比例性),雑音(ノイズ),スペクトル半値幅(バンド幅)などである.ここでは定量性に最も大きな影響を与える吸光度の比例性に主眼をおいて考える.
吸光度の比例性がなくなる要因としては,①分光器の迷光,②試料室の迷光,③試料が螢光を発する,④対数変換器のズレ,⑤透過率0%のズレなどがある1).初めに①と②を合わせた分光光度計の迷光について述べ,次いで他の要因についても触れる.
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