検査法の基礎
骨髄MRI
田中 修
1
,
永井 純
1
,
高木 省治郎
2
1自治医科大学大宮医療センター放射線科
2自治医科大学大宮医療センター血液科
pp.853-858
発行日 1995年10月1日
Published Date 1995/10/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902512
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新しい知見
現在臨床的に用いられているMRIの撮像法では,腫瘍などの骨髄病変と正常の造血髄とを明確に識別することは難しい.新しいMRIの造影剤として,網内系細胞に取り込まれる超常磁性の酸化第二鉄微粒子の応用が試みられており,骨髄内の腫瘍と造血髄を鑑別できる可能性が報告されている.すなわち,酸化第二鉄微粒子が取り込まれる正常の造血髄部ではT2が著明に短縮し,T2強調像でほとんど無信号になるのに対して,網内系細胞が欠如した病変部は高信号のままで,両者を区別することが可能となる.さらにMRIでは,モノクローナル抗体と常磁性物質を結びつけることにより,腫瘍へ選択的に集積する造影剤の開発も進められており,近い将来,特定の腫瘍を標的にした画像診断が可能になるものと期待される.
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