検査法の基礎
発作性夜間血色素尿症(PNH)の診断と検査法
藤岡 成德
1
1三井記念病院血液内科
pp.391-397
発行日 1995年5月1日
Published Date 1995/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902385
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新しい知見
PNH診断には補体溶血感受性赤血球の存在を示すことが必要である.従来からHam試験などのように,試験管内で補体を副経路あるいは古典経路で活性化し,溶血率を測定するという補体機能に依存した検査法があった.PNHのin vivo血管内溶血をin vitroで再現させる方法である.しかし,近年PNH赤血球の研究が進み,補体調節膜蛋白DAF,CD59欠損と易補体溶血性の密接な関係が解明され,さらにこの欠損がPNHに特有なGPIアンカー合成障害による異常であることがわかった.異常は赤血球のみならず他の血球にも見いだされた.したがってフローサイトメトリーなどによるDAF,CD59欠損血球の証明がPNHの診断に有用になった.また関与する遺伝子異常についても調べられている.
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