特集 On Fleek 産婦人科手術
Ⅲ.婦人科
7.骨盤臓器脱手術
西 洋孝
1
Nishi Hirotaka
1
1東京医科大学産科婦人科学分野
pp.1491-1502
発行日 2018年10月31日
Published Date 2018/10/31
DOI https://doi.org/10.18888/sp.0000000647
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超高齢社会の到来とともに,高齢者のQOL疾患である骨盤臓器脱(POP)が増加している。POP治療のファーストチョイスは手術療法であるが,治療のためには正しいPOPの診断と適切な術式の選択が重要となる。POPはPOP-Qシステムで評価し,DeLancyの分類のレベルⅠ~Ⅲのいずれの障害によるかを判断するが,多くの場合,POP-Qにてステージ3以上であれば手術療法が適応となる。レベルⅠの障害では仙骨腟固定術が,レベルⅡの障害ではTVM手術が,レベルⅢの障害では後腟壁形成術などが行われるが,従来法と呼ばれる腟式子宮全摘術+前後腟壁形成術+腟断端固定術や腟閉鎖術も有効である。これらの手術を安全に行うためには,骨盤底の解剖に習熟するのみならず,技術の習得とたゆまぬ修練が肝要であろう。
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