増刊号特集 泌尿器科診療の最新スタンダード―平成の常識は令和の非常識
女性泌尿器疾患
骨盤臓器脱
竹山 政美
1
,
鍬田 知子
1
,
柏原 宏美
1
1第一東和会病院女性泌尿器科ウロギネコロジーセンター
pp.242-244
発行日 2020年4月5日
Published Date 2020/4/5
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1413206901
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以前の常識
・骨盤臓器脱(POP)の術式としては,NTRとTVMが主な選択肢であり,LSCは選択肢に入っていなかった.
・POPの治療については,TVM(手術)が頸部延長型子宮脱を除くすべてのPOPに対して優れた手術だとされていた.
・TVM(手術)に関しては,4本脚のメッシュを用いたProliftTM型TVM-Aが主に行われており,メッシュは4本の脚による面によって膀胱を支持するというコンセプトにより施行されていた.
・LSC手術に関しては,一部の施設でDeLanceyのLevelⅠを修復する(腟尖部のみ挙上),いわゆるアメリカ式LSCが一般的であった.
現在の常識
・POPの術式として,NTR,TVMと並んでLSCが選択肢の1つである.
・TVMは前壁下垂に対しては優れた成績を示すが,high stageの子宮脱に対しては再発率が高い.また,後壁下垂に対しては行われなくなっている.
・TVMの要点としては,メッシュを皺のないように伸展することと,そのための確実なアンカリングが重要となっている.前壁メッシュの前脚は必要なく,2本脚のTVM-A2やアップホールド型TVMが主流となっている.
・LSCは,多くの施設で腟尖部のみならず,DeLanceyのLevelⅡをも修復するいわゆるフランス式LSCが一般的となっている.
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