増刊号 臨床生理検査実践マニュアル画像検査を中心として
Ⅰ.超音波検査法
3.検査の実際
3)乳腺・甲状腺
(1)乳腺 画像の読みかた
宮本 幸夫
1
,
最上 拓児
1
,
山下 三代子
1
,
三枝 裕和
1
,
中田 典生
1
,
入江 健夫
1
,
多田 信平
1
1東京慈恵会医科大学放射線医学教室
pp.88-91
発行日 1995年4月15日
Published Date 1995/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902323
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正常乳腺の超青波解剖
正常乳腺の超音波像を図2に示す.乳腺組織は一般に均一な高エコーレベルを呈する充実性の領域として描出されるが,年齢が増すにつれて脂肪に置き換わるため,そのボリュームは減少する.一方,乳腺後脂肪織は逆に増加し,クーパー靱帯も加齢につれて明瞭に描出されるようになる.また,乳腺組織と脂肪との間には,薄い高輝度の線状エコーを認め,前方境界線と呼ばれる.前方境界線は良・悪性の鑑別における1つのメルクマールとなる(6.乳癌の項参照).なお,授乳中の乳線内には,しばしば著明な乳管拡張を認める(図2).
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