検査ファイル
副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)の測定
羽根 求
1
1(株)ユカ・メディアスRDセンター
pp.1010
発行日 1994年11月1日
Published Date 1994/11/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543902173
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はじめに
悪性腫瘍の患者では,しばしば高カルシウム(Ca)血症を合併するが,その原因のほとんどは腫瘍組織より分泌された副甲状腺ホルモン関連蛋白(PTHrP)が骨や腎に作用して,血中Ca濃度を上昇させることによる1)(この病態は,humoral hypercalcemia of malignancy;HHMと呼ばれる).したがって,血中PTHrP濃度の測定により,HHM患者の鑑別診断やHHMに対する治療効果の判定が可能となる.PTHrPは主に腫瘍組織で産生され,血中へ分泌されるときにはN端部分とC端部分に分解される.現在,体外診断薬として認可されているPTHrPの測定法には,IRMA法(測定原理参照)によるPTHrPのN端部分の測定2)とRIA法によるC端部分(C-PTHrP)の測定3)の2種類があるが,ここではIRMA法を中心にPTHrPの測定について概説する.
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