増刊号 免疫検査実践マニュアル
各論
Ⅴ.自己免疫・アレルギー
1.自己免疫
(5)サイログロブリン抗体,マイクロソーム抗体
中埜 幸治
1
1京都府立医科大学附属病院第一内科
pp.210-212
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901944
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橋本病やバセドウ病は臓器特異性自己免疫疾患であり,甲状腺の抗原成分に対する自己抗体(抗甲状腺抗体)を産生する.通常,抗甲状腺抗体とは甲状腺サイログロブリン(thyroglobulin;TG)抗体およびマイクロソーム(microsome;MC)抗体を意味する.
MC抗体は甲状腺のMC抗原に対する抗体であるが,近年,MC抗原は甲状腺ホルモン合成酵素である甲状腺ペルオキシダーゼ(thyroid peroxidase;TPO)であることが判明している1).MCは分子量約11万の糖蛋白である.一方,TGは甲状腺濾胞内の主成分で,分子量約67万の可溶性糖蛋白で,甲状腺ホルモンの合成,貯蔵および放出に極めて重要な役割を担っている.
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