増刊号 免疫検査実践マニュアル
各論
Ⅰ.ホルモン
4.膵・消化管
(3)グルカゴン
河西 浩一
1
,
石田 俊彦
2
1香川医科大学検査部
2香川医科大学第一内科
pp.131-133
発行日 1994年4月15日
Published Date 1994/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901911
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膵グルカゴンは膵ランゲルハンス島のA細胞で合成され,分泌されるインスリン拮抗ホルモンであり,血糖の上昇を起こす物質であるが,生体内には種々のグルカゴン類似ペプチドが存在することが明らかにされている.グルカゴン遺伝子は第2染色体長腕に存在し,転写を受けてプレプログルカゴンが生成される.グルカゴン類似ペプチドはプレプログルカゴンからプロセッシングにより生成されてくるが,膵と腸管ではプロセッシングに違いがあり,それぞれ膵グルカゴン,腸管(エンテロ)グルカゴンと呼ばれている.腸管グルカゴンは膵グルカゴンとは異なった分子形をしており,現在では少なくともグリセンチン,オキシントモジュリン,グルカゴン(1-21)の3種のペプチドが含まれていることが明らかになってきた(図)1).
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