糖尿病治療のパラダイムシフト 血糖管理に関する新たな展開
グルカゴン
河盛 段
1
1大阪大学 大学院医学系研究科内分泌代謝内科学
キーワード:
Glucagon
,
糖新生
,
インスリン抵抗性
,
肝臓
,
血糖
,
糖尿病
,
グルカゴン分泌細胞
,
インスリン分泌細胞
,
糖代謝
,
Glucagon-Like Peptide 1 Receptor Agonist
Keyword:
Blood Glucose
,
Diabetes Mellitus
,
Glucagon
,
Gluconeogenesis
,
Insulin Resistance
,
Liver
,
Carbohydrate Metabolism
,
Glucagon-Secreting Cells
,
Insulin-Secreting Cells
pp.23-27
発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00974.2014057530
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インクレチン関連療法の登場によりグルカゴンへの治療的アプローチが可能となり,病態理解の面においてもグルカゴンの重要性が再注目されている.グルカゴンは肝臓においてグリコーゲン分解や糖新生亢進を介して糖放出を促進し,強力な血糖上昇作用を呈する.糖尿病におけるグルカゴン分泌制御異常は,高血糖や低血糖の増悪といった血糖恒常性のさらなる破綻をもたらすと考えられる.グルカゴン分泌は血糖のみならず神経系や内分泌系,膵島内調節系などにより緻密に制御されている.これまでのインスリン中心の糖尿病治療に加え,グルカゴン分泌の是正や作用の抑制といった新たな治療戦略が開発されている.
©Nankodo Co., Ltd., 2014