けんさアラカルト
生理学的検査の業務拡大
松本 佶也
1
1東京大学医学部附属病院検査部
pp.50
発行日 1994年1月1日
Published Date 1994/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901779
- 有料閲覧
- 文献概要
新たに臨床検査技師が行うことのできる生理学的検査として「熱画像検査」[磁気共鳴画像検査」「眼底写真検査(散瞳薬を投与して行うものを除く)」「毛細血管抵抗検査」「経皮的血液ガス分圧検査」(「臨床検査技師,衛生検査技師等に関する法律施行令の一部を改正する政令(政令第159号)平成5年4月28日公布,施行」)の5項目,同じく「政令第318号,9月29日公布,施行」で「眼振電図検査(冷水若しくは温水,電気又は圧迫により刺激を加えて行うものを除く.)」「重心動揺計検査」の2項目が加えられた.従前の制限業務8項目と加えて合計15項目になる.
臨床検査に携わる技師として,またその基幹団体である(社s)日本臨床衛生検査技師会が総力を挙げて取り組んでいる“法改生運動”の懸案であった生理学的検査の業務拡大の一端が開かれたことは,喜ばしいことである.現代の疾病構造および医療の質的変化に伴い,臨床検査は不可欠となり,検査技師の責務も増しているが,臨床検査技師が行える業務の範囲は一部生理学的検査で規制されるのみで,検体検査業務は無資格者でも行えるという矛盾などを社会的にアピールし,法的に条件整備を図ろうというのがその端緒である.一方から,業務として分担してほしいと要請しても,検査技師が法的に,また多忙を理由に避けたり拒んできたとの批判もあったことも背景にある.
Copyright © 1994, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.