マスターしよう検査技術
病理標本の作りかた[2]
久光 亜弥子
1
,
大平 嘉一
1
,
町並 陸生
1
1東京大学医学部病理学教室
pp.735-740
発行日 1993年8月1日
Published Date 1993/8/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901651
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はじめに
薄切とはブロックからできるだけ人工的変化が加わらないように希望の厚さの標本を作り出すことである.切片が厚かったり,見たい面が出ていなかったり,キズやゴミがあったりすると後の手技をどんなにきちんと行っても良い標本は作りにくく,また組織学的検索に支障をきたしてしまう可能性もある.そのため,薄切は標本のできふできを決める最も重要な要素の1つである.
できるだけきれいな標本を短時間でコンスタントに作り出せるようになるには,まず器具に触れてみて実際に数多く薄切を手がけることが大切である.そのとき,各ブロックのどこの何が知りたいのかということを頭に入れて,各々が工夫して最も良いという方法を見つけ出せるよう,鍛練するとよい.
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