明日の検査技師に望む
検査の自動化と専門職種
下杉 彰男
1
1国立病院医療センター臨床検査部
pp.576
発行日 1993年7月1日
Published Date 1993/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901615
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臨床検査の歴史について話をするとき,私はよく食生活を例にとって説明をします.病院の検査室で40数年にわたって検査業務(生活)をしてきましたが,その変遷には目をみはるものがあります.その流れはわが国が,戦後の混乱期に国民のマンパワーによって再建の基礎を築き,その後の経済成長に支えられ今日の隆盛につながるパターンと類似しているのです.そこで毎日の生活に欠かすことのできない食生活を取り上げ,医療にとって最も重要で欠くことのできない情報である臨床検査の発展ぶりを比較して見るわけです.
食生活との比較ですが,昭和20年代から今日までを,①用手法(自給自足)の時代,②簡易化(インスタント)の時代,③自動化(量産化)の時代,④微量化(宇宙食)の時代,⑤外部委託化(外食産業)の時代に分類,その後は?としています.
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