ひとこと
検査の自動化
天川 勉
1
,
北村 清吉
2
,
茂手木 皓喜
3
,
江原 和人
3
1聖マリアンナ医大病院中検
2東京医科歯科大附属臨床検査技師学校
3都立駒込病院臨床検査部
pp.704-705
発行日 1977年9月1日
Published Date 1977/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543201456
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近代化学の発展は急速な進歩を遂げ,いわゆる文化的な生活様式が私たちの身の回りを取り囲んでいる.幼いころ母が手にしていたホウキは電気掃除機となり,タライは電気洗濯機に変わっている.物質的文化の変化には目を見張るものがあるが,それに比べて物質文化を生み出し利用している人間の精神文化の進歩はまるで牛歩のごとくであり,遅々としたものである.
臨床検査に自動分析機という便利な道具が使用されてから20年が経過したが,にの間に我が国の医療需要と経済的成長期とが相俟って,臨床化学から始まった自動化の波は血液,病理検査と広がり現在ではすべての分野で何らかの自動化が可能となり,この問題を抜きにして臨床検査を語れないまでになっている.そして検査室相互が,いかに多種目で高価な機械を導入しているかを競い合い,その達成度で評価し合うような風潮すらみられ,心ある人たちの苦笑を買っていることも事実である.
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