増刊号 臨床化学実践マニュアル
I.緊急検査への対応
5.糖
島 健二
1
1徳島大学医学部臨床検査医学
pp.26-28
発行日 1993年4月15日
Published Date 1993/4/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901475
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パニック値とは“患者の生命が危機に瀕しているため,直ちに治療を開始しなければならない検査値”と定義することができる.しかし,具体的にいくら以上,以下の値をパニック値とするかは検査項目の種類によっても,また得られた検査値を評価する人の立場によっても異なる.例えば,検査値を利用する臨床医にアンケート調査した際の成績をみても,専門診療科により,また臨床経験年数によって,血糖値のパニック値に対し,上限,下限が微妙に異なっている(表1).すなわち,内科系の医師は外科系に比べ,下限値はより低く,上限値はより高く設定する傾向があり,また,臨床経験の豊富な医師は経験の浅い医師に比べ,パニック値を正常値からよりはずれた値に設定している.
緊急検査室においてパニック値がどのような頻度で出現するか,これも病院の種類によって異なる.
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