明日の検査技師に望む
活力ある検査技師像の構築のために
小林 功
1
1群馬大学医学部臨床検査医学
pp.766
発行日 1992年9月1日
Published Date 1992/9/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901258
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私は内科医として27年間母校に勤務し,同じ大学の検査部に移って3年経つ.したがって検査部のスタッフとしては,まだ修業時代といえそうで,皆に助けられている毎日である.ただ年齢だけは一番上であるので,私たちの検査部における若い世代の検査技師諸君に期待する2,3の事項なら書けるかもしれない,そう思って筆をとったしだいである.
第一に,臨床サイドとの接点をなるべく持っていただきたいと思う.各職域における幅広い交流を持って,自らの立場を再認識し,医療スタッフとしての重要な役割を演じてほしいのである.一例を挙げよう.群馬県には糖尿病グメス(Gunma Medical Staffの略)の会(会長:安部 純医師)なる組織がある.医師,看護婦,栄養士,薬剤師などに混じって,臨床検査技師も参加し,日本糖尿病協会群馬県支部の構成メンバーにもなって,ホットな勉強会が続いている.本誌4月号の島健二教授の言われた「チーム医療の担い手」という意味からも,医療スタッフとしての臨床検査技師の役割は検査室内部に限られたものではない.糖尿病患者教育にも寄与していただきたいのである.事実,群馬県糖尿病協会主催の糖尿病セミナーでは毎回検査技師の代表も講師を務めている.医療の中で,私たちは何をなすべきか,何ができるかを,絶えず考え,模索する技師になろう.社会的ニーズは多様化し,絶えず変革する宿命を持っており,私たちはそのリズムに乗ることも,また必要な時代なのである.
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