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輸血と肝癌
山口 一成
1
1熊本大学医学部附属病院輸血部
pp.613-614
発行日 1992年7月1日
Published Date 1992/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901224
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わが国において近年,非A非B型肝炎ウイルスによる肝細胞癌(肝癌)が増加していることが指摘されている.このことは肝癌の発生母地である非A非B型慢性肝炎,肝硬変の増加をも意味している.一方,B型肝炎ウイルス(HBs抗原)陽性の肝癌患者数は定常的であり,最近の肝癌患者の急増は非A非B型肝炎ウイルスによるものと推定されている.
わが国では肝硬変・肝癌の患者数は以前より西高東低といわれており,B型肝炎ウイルス(HBV)の分布と一致することからHBVがその原因とされていた.しかし最近のC型肝炎ウイルス(HCV)の研究から,HCVの分布もまた肝硬変,肝癌の分布の偏りを説明することができる.
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