増刊号 尿検査法
II.各論
19.ホルモンおよび関連物質
5)副腎髄質関連
(1)カテコールアミンとその分画
中井 利昭
1
1筑波大学臨床医学系臨床病理
pp.218-220
発行日 1992年5月15日
Published Date 1992/5/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543901126
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はじめに
カテコールアミンの3分画としては,アドレナリン,ノルアドレナリン,ドーパミンがある.ノルアドレナリンは主として交感神経より分泌され神経伝達物質として,アドレナリンは副腎髄質より分泌され循環ホルモンとして,ドーパミンはノルアドレナリンの前駆物質であるとともにそれ自体中枢神経系,腎,循環器系などに対し作用を及ぼしている.
尿中カテコールアミンの測定が診断上役立つのは,褐色細胞腫と神経芽細胞腫に限るといってよい.後者の神経芽細胞腫は,HVA(ホモバニリン酸),VMA(バニルマンデル酸)の定量がまず第一選択であるので,実際上は褐色細胞腫ひとつが重要ということになる.
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