生体のメカニズム・12
悪性腫瘍と免疫機構
浅川 英男
1
,
山口 稽子
1
1東京理科大学薬学部
pp.1171-1173
発行日 1991年12月1日
Published Date 1991/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543900904
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はじめに
極めてまれではあるが,癌の自然治癒が報告されたことが発端となって,生体には癌に対して生体防御機構があるのではないかと考えられるようになった.しかし癌細胞といえども,もとは1個の正常細胞から発生したものであって,なんらかのきっかけで癌に変わる.生体は,もし癌細胞を異物と認めれば排除に乗り出し,正常に戻ろうとする働きを持っている.その正常に戻ろうとする働きは近年生体の持つ免疫能に基づくものとして考えられてきている.以下それらの点について述べてみたい.
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