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腹部超音波検査で大動脈疾患を精度よく捉えるコツ
船水 康陽
1
1東北大学病院診療技術部臨床検査部門生理検査センター
pp.1238-1240
発行日 2024年12月1日
Published Date 2024/12/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209505
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はじめに 腹部大動脈観察の目的と課題
腹部超音波検査時に腹部大動脈の観察を行う主な目的は,腹部大動脈瘤(abdominal aortic aneurysm:AAA)の発見です.腹部大動脈瘤は原則無症状であり,実臨床では症状から診断に至ることは珍しく,また破裂症例の8割以上が救命不能であることから1,2),いかにして破裂前に発見し適切な治療を行うかが重要となります.
しかし,腹部大動脈は,消化管ガスの影響などで観察困難な場合もあり,腹部大動脈瘤を見逃す要因となりますので対応策を試みる必要があります.また,腹部大動脈瘤の侵襲的治療の目安は,瘤の形状,瘤径,拡大傾向などであるため,正確な評価を行う必要があります.そこで,以下に腹部大動脈瘤を精度よく捉えるコツと評価法を解説します.
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