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抗リン脂質抗体症候群の検査フロー
山﨑 哲
1
1聖マリアンナ医科大学病院臨床検査技術部
pp.696-699
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209364
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はじめに
抗リン脂質抗体症候群(antiphospholipid syndrome:APS)は,抗リン脂質抗体(antiphospholipid antibody:aPL)の存在による動静脈血栓症や妊娠合併症などを主症状とする自己免疫疾患である1).後天性血栓性素因の中では頻度が高く,再発性が高いことから臨床上重要であり,確実性の高い診断検査が求められる.aPLは,陰性荷電リン脂質に結合したβ2グリコプロテインI(β2-glycoprotein I:β2GPI)などに対する多様な抗体の総称であるため,複数の方法によって検出する必要がある.検査項目として,凝固時間法に基づくループスアンチコアグラント(lupus anticoagulant:LA)と免疫学的方法に基づくIgG,IgM型の抗カルジオリピン抗体(anticardiolipin antibody:aCL)やβ2GPI抗体(antiβ2GPI:aβ2GPI)および,これら4種を同時に測定するaPLパネル検査などが保険診療として実施可能である.
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