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微生物検査におけるデジタルトランスフォーメーション(DX)の実現
上蓑 義典
1
1慶應義塾大学医学部臨床検査医学
pp.692-694
発行日 2024年7月1日
Published Date 2024/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209363
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微生物検査=アナログ?
皆さんがもつ微生物検査室のイメージはどんな姿だろうか.部屋の真ん中に黒い実験机があって,周囲に安全キャビネットや血液培養の機械,同定・薬剤感受性測定装置がポツポツと置いてある部屋で,この道何年の職人的な技師さんが培地と睨めっこしている世界.まだこんなイメージを描いている人も多いだろう.AIの期待が高まる検査業界に取り残されたデジタル未開の地,そのイメージは間違っていない.
なぜこんなにアナログかというと,培地上のコロニー判定やグラム染色像など,見た目勝負の検査工程が非常に多いから.技師が直接目でみて判断して,臨機応変に対応した方が都合がよい部分も多いからである.しかし,この方法では,技師の力量差や作業能力の差が,検査結果やturnaround timeに影響しやすいという問題がある.
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