病気のはなし
特発性血小板減少性紫斑病—一次性免疫性血小板減少症
柏木 浩和
1
1大阪大学医学部附属病院輸血部
pp.54-60
発行日 2024年1月1日
Published Date 2024/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543209215
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Point
●特発性血小板減少性紫斑病(ITP)は主に抗血小板自己抗体による血小板破壊と血小板産生障害により血小板減少が生じる自己免疫疾患である.
●ITPの診断は除外診断が中心であるが,最近,幼若血小板比率(IPF%)・網状血小板比率(RP%)と血中トロンボポエチン(TPO)濃度を組み入れた診断基準が提唱されている.
●成人ITPの治療は,ピロリ菌関連ITPを除外した後,血小板数および臨床症状に応じて治療適応を判断する.
●副腎皮質ステロイド無効・不耐例では,TPO受容体作動薬,リツキシマブ,脾臓摘出術から治療を選択する.最近,新たにSyk阻害薬(ホスタマチニブ)が使用可能となっている.
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