今月の特集 典型例の臨床検査を学ぶ
DIC
川杉 和夫
1
1帝京大学医学部内科学講座
キーワード:
播種性血管内凝固症候群の3大基礎疾患
,
DICの3大基礎疾患
,
線溶抑制型DIC
,
線溶亢進型DIC
,
急性期DIC診断基準
,
日本血栓止血学会DIC診断基準 2017年度版
Keyword:
播種性血管内凝固症候群の3大基礎疾患
,
DICの3大基礎疾患
,
線溶抑制型DIC
,
線溶亢進型DIC
,
急性期DIC診断基準
,
日本血栓止血学会DIC診断基準 2017年度版
pp.650-655
発行日 2021年6月15日
Published Date 2021/6/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1542202747
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症例1
■症例1の初診(診察)時症状・所見
患者は70歳代,女性.家族歴,既往歴に特記すべき所見はなかった.2日前から38℃台の発熱と咳嗽が出現したため,昨日,近医を受診した.風邪の診断を受けて解熱剤などを処方された.薬によって一時的に解熱したものの,発熱や咳は持続した.そのため,昨夜遅くに帝京大学医学部附属病院(以下,当院)の救急外来を受診したところ,肺炎が疑われ入院となった.
入院時は身長155cm,体重54kg,体温38.5℃,血圧122/70mmHg,脈拍96/分(整),呼吸数25/分であった.胸部聴診上,右上肺にコース・クラックル(coarse crackles.肺炎などで聞かれる水泡音)を聴取したが,腹部所見には異常なく,神経学的な所見にも特記すべき所見はなかった.
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