臨床検査のピットフォール
見落としやすい尿沈渣成分—ヘマトイジン結晶
宿谷 賢一
1
,
脇田 満
2
1順天堂大学医療科学部臨床検査学科
2順天堂大学医学部附属順天堂医院臨床検査部
pp.68-70
発行日 2023年1月1日
Published Date 2023/1/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208878
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はじめに
尿沈渣検査で鑑別できる“黄褐色調の針状の結晶”を問われると,多くの人が第一に考えるのは“ビリルビン結晶”である.しかしながら,ビリルビン結晶と同様な形態を呈する結晶として,“ヘマトイジン結晶”がある.このヘマトイジン結晶は,「尿沈渣検査法2010」に記載されていない結晶のため,日常検査において認知度が低い.わが国においては,2005年の日本医学検査学会にて報告1)され,その後,関連学会にて少なからず報告がある.
本稿ではヘマトイジン結晶の臨床的意義とビリルビン結晶との鑑別について解説する.
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