技術講座 微生物
—step up編—接合菌の特徴と鑑別方法
仁木 誠
1
1大阪市立大学医学部附属病院感染制御部
pp.593-597
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208385
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Point
●接合菌症の起因菌はRhizopus spp.が約半数を占め,次いでMucor spp.およびLichtheimia spp.の頻度が高い.
●接合菌症は多くの場合,血液悪性疾患,移植後など免疫能が低下した患者に発症し,免疫不全症例に発症した場合には予後は極めて不良となる.
●有効な治療薬が限られており,抗真菌薬投与中に発症するブレイクスルー感染症にも注意を要する.
●同定の際には胞子囊の形状やアポフィシスの有無,胞子囊柄の分岐の有無,仮根の有無と位置などについて注意深く観察する.
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