技術講座 微生物
グラム染色
木村 由美子
1
,
栁原 克紀
1,2
1長崎大学病院検査部
2長崎大学大学院医歯薬学総合研究科病態・解析診断学分野
pp.570-575
発行日 2021年5月1日
Published Date 2021/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208382
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Point
●脱色操作前に余分な水分が残っていると,脱色液が薄められ脱色が増強されます.その結果,グラム陽性菌を陰性菌と見誤ることにつながります.
●染色された塗抹標本は,まずは弱拡大(100倍)で全視野を観察し,検体の質(感染症診断に適しているか否か)を観察することが必要です.
●所見を解釈していくうえで重要なことは,それぞれの検体からよく検出される原因菌ならびにその菌の特徴を念頭に置きながら観察することです.
●白血球の出現(多核か単核か)や繊毛上皮細胞など,菌だけでなくグラム(Gram)染色像の背景からも有益な情報を得ることが可能です.
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