技術講座 輸血
シリーズ 輸血検査の進め方と対応・3
交差適合試験と直接抗グロブリン試験
池田 瞳
1
1東海大学医学部付属病院臨床検査技術科輸血室
pp.496-501
発行日 2021年4月1日
Published Date 2021/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208357
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
Point
●直接抗グロブリン試験(DAT)とは生体内において患者赤血球に結合している免疫グロブリンや補体成分の有無を証明する検査であり,陽性となる代表的な疾患として自己免疫性溶血性貧血(AIHA)などがある.
●DAT陽性患者の輸血検査においては,赤血球上や血漿(血清)中に存在する自己抗体により,血液型検査や不規則抗体検査,交差適合試験などさまざまな検査に影響を及ぼすことがある.
●抗体解離試験では,自己抗体あるいは同種抗体の特異性を確認する.また,血漿(血清)中の自己抗体の吸着により自己抗体に隠れている同種抗体の有無を確認することが重要である.
●AIHA患者では,輸血後の同種抗体産生のリスクを低減させるためにRh血液型抗原について患者と一致させた血液製剤を選択する.
Copyright © 2021, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.