技術講座 輸血
抗グロブリン試験
冨田 忠夫
1
1大阪府赤十字血液センター検査一課
pp.337-342
発行日 1983年4月1日
Published Date 1983/4/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543202736
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抗体はグロブリン分画に属しているが,その中でIgM抗体は,生理食塩液に浮遊した赤血球と反応してすぐ凝集をおこすが,IgG抗体は,生理食塩液に浮遊した赤血球を感作しても,凝集をおこさないことがある.そこでヒトグロブリンでウサギを免疫してつくった抗ヒトグロブリン血清(クームス血清)を,IgG抗体が結合している赤血球に加えれば,赤血球に結合しているIgG抗体と,抗ヒトグロブリン抗体とが反応して赤血球は凝集をおこす.
抗グロブリン試験は,1945年英国のCoombsらによって開発されたことから,クームス試験とも呼ばれており,生体内(in vivo)で感作をうけた赤血球を検索する直接抗グロブリン法と,試験管内(in vitro)で感作した血球を検査する間接抗グロブリン法の二つの検査法がある.
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