増刊号 First&Next Step 微生物検査サポートブック
各論 菌種別の培養・同定方法
原虫
赤痢アメーバ—Entamoeba histolytica
松村 隆弘
1
1北陸大学医療保健学部医療技術学科
pp.417-419
発行日 2021年3月15日
Published Date 2021/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208337
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Summary
腸管寄生原虫である赤痢アメーバ(Entamoeba histolytica)を病原体とするアメーバ赤痢は,発生動向調査が始まった1999年以降,右肩上がりに増加し,2016年の1,152件/年をピークに近年では850件前後と高い水準で推移しており,わが国の代表すべき寄生虫感染症となっている.しかし,細菌と異なり一般施設での培養検査は実施できず,当日提出された検体中の囊子(cyst)や栄養型(trophozoite)を顕微鏡下で検出することが多く,初見で赤痢アメーバを判定することは困難である.故に,病態や形態学的特徴,検査法などの知識を整理して覚えておく必要がある.
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