COFFEE BREAK
アフリカのモザンビークの臨床検査技師
小林 恵里奈
1,2
1JICA青年海外協力隊(2018年度派遣)
2茨城県立中央病院・茨城県地域がんセンター臨床検査技術科
pp.754
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208057
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“モザンビーク”という名前の国を聞いたことがあるだろうか.公用語であるポルトガル語では“Moçambique”.アフリカ大陸南東部に位置する開発途上国である.“開発途上国”といえど,水や電気にもあまり困らず,減塩醬油まで買える首都マプトで,私は医療従事者を養成する公立学校(以下,養成校)で青年海外協力隊のボランティアとして活動していた(図1).
モザンビークで臨床検査技師になるためには,養成校の卒業資格が必要となる.現在,国家試験制度はなく,医療従事者養成校の各コースを卒業すると,その医療職に従事することができる.臨床検査技師コースは,初級・中級・上級があり,初級コースの修了だけでも“臨床検査技師”として働くことができるが,より上位のコースを修了すると,就労時に給料が増えるケースが多い.中級コースの受験には,中等教育の修了が必要だが,家庭や経済的な事情により,中等教育に就学できる割合は37.5%ほどであり,簡単な受験資格ではない.公立の養成校は他に16校あり,学費が無料であるが,予算などの関係で全国の全コースで入学者を毎年募集しているわけではない.私学の養成校も存在するが,学費が高く,授業内容や設備が整っていない場合がある.このようなさまざまな要因が影響し,公立養成校の入試は激戦となり,2019年度の当校臨床検査コースの入試倍率は28倍であった.入学後は,保健省が定めた2年間の教育プログラムに沿って座学と病院実習が開始する.
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