臨床検査のピットフォール
シャントエコー血流量の評価におけるピットフォール
小林 大樹
1
1独立行政法人労働者健康安全機構関西労災病院中央検査部
pp.751-753
発行日 2020年7月1日
Published Date 2020/7/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543208056
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
- 参考文献
はじめに
血液透析におけるシャント(バスキュラーアクセスともいう)は,動脈と静脈を外科的に吻合し,動脈血が静脈に流れ込む構造になっている.故に血管走行や血行動態は複雑化し,時間経過とともに狭窄が発現する.その狭窄が進行すると血栓を形成し,閉塞すれば透析が施行できなくなる.したがって,閉塞する前の狭窄の段階で治療介入することで,シャントを長期的に維持できる.そこで最近注目されているのが,エコーを用いたシャントの評価と管理である.
今回は,シャントエコーで使用する血流量(flow volume:FV)の評価について以下の2題にテーマを絞り,陥りやすいピットフォールや解決のための考え方について,自験例を交えて解説する.なお,本文中においては,血流方向に関係なく,心臓側を中枢側,指先側を末梢側と表現していることにご留意いただきたい.
Copyright © 2020, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.