連載 帰ってきた やなさん。・9
柳田!母校凱旋講演
柳田 絵美衣
1,2
1慶應義塾大学病院臨床検査科ゲノム検査室
2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
pp.529
発行日 2020年5月1日
Published Date 2020/5/1
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207997
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「やなさん……怖い人から電話です……」 同僚の看護師が血相を変えて話しかけてきた.「怖い人から電話? 私に?」 身に覚えがないが……何かやらかしたのか?と思いながら電話に出た.「もしもし柳田です」すると,「おうおう,わしや」 一瞬,オレオレ詐欺かと思ったが,声に聞き覚えが.“怖い人”の正体は母校のお偉いさんであった(名誉のため,お偉いさんとだけ書こう).「あんたに母校で講演してもらえへんかと思てな〜.どや!」と,まぁ講演依頼だ.ベタベタの関西弁を初めて聞いた看護師は“怖い人”と思ったらしい(笑).関西人は,これが普通だよ♥ むしろ,穏やかなほうだよ♥
講演は人生初の「市民公開講座」.がんゲノム医療について話すことに.新型コロナウイルスのこともあり,多くの講演が中止になったが,この講演だけは開催され,母校の強気さを思い知った.さらに講演の2日前にSNSで告知をしたにもかかわらず,それを見た人たちも来てくれた! 毎度恒例ですが,自分の発表に自分で涙ぐむ……という場面も(相変わらず毎回こうなる).90分間,できる限り分かりやすく,必要な情報をゆっくりお話した.普段から,外来で患者さんに医療面接をしていた成果なのか,落ち着いて話すことができた.最後のスライドになり,「ご静聴ありがとうございました」と言った瞬間,大きな拍手が起こった.後でSNSに「素晴らしい女性だと思いました」と感想が書き込まれていた.褒めすぎだぞ♥
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