連載 シリーズお産人探訪・4
奥本三千子さん—お産が終わって帰る道は凱旋将軍の気持ち
河合 蘭
pp.1044-1048
発行日 1992年12月25日
Published Date 1992/12/25
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1611900711
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かつて自転車で日本中を飛び回っていた産婆さんたちは,ほとんどの方が引退されてしまった。しかし中には,そのまま今も自宅出産を手がけていらっしゃる方もいる。京都の伏見で開業する奥本さんは,その1人である。
1人で他人の家に赴き,母子の生命の重みを一身に背負う奥本さんの仕事は,病院という牙城の中でチーム看護を行なう現代の出産とはあまりにも隔たっている。時代もかけ離れているかもしれない。しかし,これは大切な日本の助産婦の歴史であり,そこから学ぶことは決して小さくはない。いや,実に示唆に富んでいる。
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