増刊号 採血のすべて—手技から採血室の運用まで徹底解説
Ⅱ 採血の実際
標準的な採血手技
東 克巳
1
1元杏林大学医学部臨床検査医学
pp.208-216
発行日 2020年3月15日
Published Date 2020/3/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207908
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はじめに
正確で精度の高い採血は担保された検査成績を提供するために不可欠である.血液は検体検査の材料として最も多く利用されている.血液一般検査や血液凝固学的検査では,血液が凝固していれば検査材料とはなりえない.
採血の手技による不手際のため検査値に異常値が出た場合,検査過誤ではすまされない.採血手技の知識と技量に精通している医療従事者による検体採取が必要である.
本稿では,標準採血法ガイドライン(GP4-A3)1)を参考に検体検査に欠かすことのできない採血について解説する.採血には必要不可欠な用具一式や患者接遇などがあるが,それらについては他稿に譲り,本稿では肘正中皮静脈や橈側皮静脈などの静脈からの標準採血法の手技を中心に解説する.
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