増刊号 現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド
2章 目でみる 免疫染色良い例・悪い例
その他
柳田 絵美衣
1,2
1慶應義塾大学医学部病理学教室
2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
pp.1018-1020
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207341
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特異的・非特異的な核の染色性の比較
■核移行
核移行とは,ある特定の症例でみられる遺伝子の変異により起こる現象である.遺伝子変異や欠失などでβ-cateninが分解されずに,そのまま核に移行するとされている(図1).そのため,通常であれば細胞膜に陽性となる染色が,核移行をしている場合,免疫染色を行うと核に陽性像を示す.つまり,図2a,bは染色性には問題はなく,正しい染色結果であるといえる.デスモイド以外に,膵臓でのSPN(solid pseudopapillary neoplasm)やメラノーマなどでも同様の染色性がみられる.
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