増刊号 現場で“パッ”と使える 免疫染色クイックガイド
4章 ポイント解説 免疫染色の原理
用手法
柳田 絵美衣
1,2
1慶應義塾大学医学部病理学教室
2慶應義塾大学医学部腫瘍センターゲノム医療ユニット
pp.1084-1092
発行日 2018年9月15日
Published Date 2018/9/15
DOI https://doi.org/10.11477/mf.1543207355
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
原理・種類
■標識物質と発色剤
酵素抗体法(免疫染色)は特異的反応を用いて,組織や細胞内の抗原性をもつ物質の局在を証明する免疫組織化学染色の手法の1つであり,抗体に酵素を標識する方法である.主に用いる酵素は西洋ワサビペルオキシダーゼ(horseradish peroxidase:HRP)とアルカリホスファターゼ(alkaline phosphatase:ALP)であり,各酵素に対応した発色剤がある.病理診断に用いる免疫組織化学染色は,HRPを標識酵素と3,3’-ジアミノベンジジン(3,3’-diaminobenzidine:DAB)で発色する方法が主流である.その他に酸ホスファターゼ,ガラクトシダーゼ,グルコースオキシダーゼなどがある.現在では,図1のようにさまざまな色調の発色剤が登場している.
Copyright © 2018, Igaku-Shoin Ltd. All rights reserved.